九州・沖縄全域に拡大、各県に読影センター
 九電工は二〇〇一年度中に、現在福岡県で展開している医療画像の遠隔診断サービスの対象地域を九州・沖縄全域に拡大する。各県の支店内に読影センターを設置し、病院や診療所から送られるコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)の画像データを診断する。福岡県では昨年八月のサービス開始以来、診断依頼が順調に増えており、一日平均百件に上る。同社は対象地域の拡大で、二〇〇二年度に年間十五万件の取り扱いを目指す。
 九電工の画像診断事業は全額出資子会社のネット・メディカルセンター(福岡市、田之上眞廣社長)が展開している。各県に設置する読影センターは、地元の国立大学医学部や医科大学と提携し、医師の派遣を受ける。
 診断データは各拠点から九電工のデータセンターに伝送し、福岡で一括処理する。完成したリポートは、診断を依頼した病院や診療所に即日返送する。一件当たりの料金はCTが百件まで二千円、それを超えると千八百円。MRIは百件まで二千五百円、それ以上は二千円。診断装置一台に付き月二万円、追加一台ごとに同一万円の基本料がかかる。
 四月から長崎、宮崎両県で、五月からは鹿児島県でサービスを始め、その後も順次、対象地域を拡大する。センター設置などに約一億五千万円を投資する見込み。
 CTやMRIの画像を診断する放射線科の医師は不足しており、専門医が不在だったり、非常勤の医師で対応したりしている医療施設は、福岡県内だけでも約四百に上るという。離島が多い九州地域では、医療の質向上につながる遠隔診断への潜在ニーズは大きいとみられる。
 九電工の取り組みは日本医学放射線学会でも感心を集めており、四月に神戸で開かれる総会でネット・メディカルセンターの田之上社長が「遠隔画像診断の実際」と題し講演する予定。
 
日経新聞(地方経済面) 2001年3月9日